「思い切りましたねー、その歳で。」とたくさん言われました。
そりゃそうですよね。客観的には。
結構時間かけて積み上げたキャリアとか、ポジションとか、貯金とかも、ひととおり投げ打ってまで留学して、また一から違うことをしようとしているわけなので。よく分かります。
でももちろん自分的には、それなりの理由とか経緯とか、きっかけがありました。
公認会計士時代
大学卒業後、公認会計士として監査法人に就職、大企業の監査や財務調査とかをやりました。
会計数値って、企業活動の影とか言われますけど、要は結果です。誰かが何かやった跡。
つまり、後ろから見てるって感じなんですよね。私はそう感じました。
でも企業を経営する人たちは前を見てる。先を見て仕事を決めていく。
経営の判断はずっと前の方にあって、自分たちは受け身でしか関わっていないような気がして。
監査は社会インフラとしての機能を担うので、すごく重要なんだけど、
自分はもっと企業活動のエキサイティングな部分に直接関わりたいと思い、転職しました。
M&Aブティック時代
企業のM&A、事業再生、資金調達などをアドバイザーとしてお手伝いする仕事。
交渉とかが多かったです。
会社自体の生き死にだったり、企業丸ごと売り買いするということで、
常に経営トップにアドバイスし、その意思決定に立ち会わせて頂きました。
ダイナミックで、知的体力的ハードワークで、望んでいたエキサイティングな仕事だったんだけど、それぞれのM&Aのディールが終わると、即また次のディールを探しに行きます。
Feeビジネスの宿命として。
刹那的だなって感じました。
結局、買った側、買われた側、どちらの経営にも関与できるわけではない。
大事なのはその先なのに。
ということで、支配株主として、直接かつ腰を据えて経営に携われる、仕事に移りました。
PEファンド時代
投資家さんから預かったお金で企業を買収し、成長させ、IPOなり売却するなりして、増やして返すお仕事でした。
複数の会社に、3-5年というスパンで、じっくりと関わらせて頂きました。
取締役会で経営の方向性を議論したり、役員の人事を決めたり、大きなリストラをしたり。
投資として大きな成果を上げた案件もあれば、破綻に至り損失を出した案件も経験しました。
特に感じたのは、新規事業を立ち上げたり、海外へ出たり、既存の停滞する事業を成長させることの大変さ。投資先が国内マーケットで戦っていたり、製造業だったりすると、その大変さは顕著でした。
それで、新しいものが生まれる場所って何が違うんだろうと思ったわけです。
そして、その違いを身につけるには、自分でやってみるしかないなと。
いやむしろ、人の作った会社を成長させるより、その方が大きな価値を生み出せるんじゃないかって思ったわけですね。
他人の作った難解なエクセルファイルを修正するよりは、自分でゼロからやった方が素敵なスプレッドシートができるんじゃないかという感覚です。例がニッチですね。。
そんなわけで、世界で最もイノベーションが生まれる場所、スタンフォードに強く惹かれたわけです。